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2014年01月20日 [入居者募集]

≪賃貸経営≫インビジブルファミリー≠ェ与える影響

こんにちは。

戦略大家塾塾長、
不動産投資コンサルタントの雨宮憲之です。


あなたは「見えない大家族」(インビジブルファミリー)という言葉を
聞いたことがあるでしょうか。

もし、聞いたことないなら、少々お話にお付き合いください。

世の中、「核家族化」が進んで、世帯規模が小さくなり、
不動産投資や賃貸経営にも影響が出てくるのではないか?
 
不動産投資や賃貸経営の指南本には、
この「核家族化」というポイントで将来予測を書いているものが結構あります。

未婚化や晩婚化、高齢化などで単身世帯が増加するというものです。
確かに、データ上もそういった傾向は相当以前から現れていました。

しかし、このような核家族化とは別の、ある傾向が顕著になっているのです。

それが

「見えない大家族」(インビジブルファミリー)が増えている

ということです。

これは、同じ住居に一緒に暮らす大家族ではないが、
「近居」や「隣居」をすることによって、2世代、3世代がすぐ近くに住み、
あたかも大家族のように一緒に行動する家族が増加しているという意味なのです。


つまり、経済不況が続く中、独立してからも「親の近くに住みたい」という人が増えているのです。

同居だと親の干渉が気になってしまうということがあるかもしれません。

でも、近くにいれば、困ったとき何かと相談に乗ってもらえるし、
経済的にも頼りやすい状況を作れるのではないかと言われているのです。

国土交通省のデータでは、

親の世帯の近くに住んでいる既婚者世帯は52%
25歳〜34歳の世帯では62%に上る


という結果が出ています。

後者の25歳〜34歳というのは、乳幼児を抱え子育て真っ最中という世代です。

野村総合研究所のデータでも、

近居や隣居をしている家族は、1997年から10年間の間に
28%から41%に大幅に増加している


のです。

この現象は、長引く不況の中で、収入に対する不安が大きく影響しているといわれています。

平均年収は、この10年間ほぼ右肩下がりで減少しているのです。

これと相関するように、夫婦共働きの世帯は逆に右肩上がりで増加しています。

子供たちの面倒を見られない状況が生まれやすいのですが、
「近居」「隣居」という形態をとっていれば、
代わりに親が面倒を見てくれるという大きなメリットがあるのです。


親が面倒を見てくれれば、保育園代も節約できる。
子供が成長していくにつれ、教育費の支援も受けやすくなる。

住宅購入時に「近居」を理由に、資金の援助も頼みやすくなるということがあるようです。

この傾向は、賃貸住宅に入居されるお客さんにも言えます。

私も、最近、そんな状況を肌で感じることが多くなりました。

私の所有するファミリー向け物件では、
直近3年間の入居者のほぼすべてが、
夫か妻の実家が近くにある新婚世帯が占めていることが分かりました。

物件から実家までが、500mとか1キロという距離が多いんです。

もともと、他の都道府県から流入が多いという場所ではないのですが、
近居の傾向は顕著になっています。

また、私の実体験では、逆に退去されている方の多くが、
理由を聞いてみると、実家のそばに移動するという傾向がはっきりしてきました。
特に、結婚を機に入居された方が、子供ができたことをきっかけに、
実家のそばに引っ越すということが以前よりも多くなってきたと思います。

そんな状況を踏まえ、
入居者募集戦略も現地でのPRを重視するようにしています。


マンション現地での募集看板、のぼりのアピール強化、
現地でのチラシ作戦強化、
入居者ご紹介キャンペーン等、
現地での広告活動の強化に努めています。

実際にご入居いただいた数件の案件では、
現地でのアピールツールを手にしたり、目にしたりすることで
成約に至っています。

決めていただいた理由は、まさしく「近居」希望です。

ただ、近居の場合、あまり近すぎると、
実家が近くなる夫なり奥さんなりはいいですが、相手の配偶者の心理は複雑のようです。

近すぎるのは、ちょっと嫌ということでしょう。
昔から言いますが、「スープの冷めない距離がいい」ということでしょうか。

核家族化に隠れた、見えない大家族化。
不動産投資や賃貸経営にいろいろと影響を与えてくるかもしれません。


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